外壁タイルのメリット・デメリットは?防水効果や塗装の特徴を解説

外壁にはさまざまな種類がありますが、メンテナンスのしやすさから「タイル」素材も根強い人気があります。

美しい風合いのある外壁タイルは魅力がありますが、気になるメリット・デメリットはどんな点でしょうか。

この記事では外壁タイルの特徴について紹介していきます。
外壁材のヒントにご活用ください。

 

外壁タイルのメリットとは

無機質である外壁タイルは劣化に強いことが特徴であり防水性の高さも多くの外壁業者からも支持されています。
では、外壁タイルのメリットとは具体的にどんな点でしょうか。

ここでは3つのメリットについて紹介します。

 

1.防水性・耐候性がある

タイルを構成している無機質は、石や砂などを原料に生成しています。
こうした素材は自然界の中で強い存在であり、道端で見かけてもすぐには劣化しないですよね。

防水性・耐候性に優れているのです。無機質は紫外線にも強いため、外壁材にタイルとして活かすことで耐候性に強い外壁を作ることが可能です。

ウレタン系や現在主流と言われているシリコン系の塗料よりも優れた耐候性を有しているため、新築時の外壁を検討する際にはタイルを勧められることも多くなっています。

また、一般的に流通しているタイルを想像するとわかりますが、タイルは水が染みこみにくいことも特徴の1つです。
雨水はもちろんのこと、湿気も吸収しにくいという魅力があります。

加えて外壁の内側の建材を守る効果も抜群に優れています。

 

2.強い素材のため掃除もしやすい

外壁タイルは素材としても強く、メンテナンスのしやすさが大きな魅力です。
石などを固めて作っているためその他の外壁材よりも強く、汚れていても簡単に水掃除ができることも大きなメリットです。

防水性に優れているためホースなどで掃除をすることもでき、カビや藻の汚れも付きにくいというメリットがあります。

 

3.外壁材の寿命が長い

外壁タイルには優れたメリットが詰まっており、総合すると「寿命が長い」という大きな魅力につながっています。

日本で現在主流となっているシリコン系塗料でも塗料としての寿命は約10年程度とされており、塗装の剥げが目立つようになります。

一方のタイルは寿命が約30年以上と言われています。

木造住宅の平均寿命も約20年程度~約30年程度と言われているため、新築後住宅の劣化のスピードと同じように劣化してくれるため、途中で外壁塗装の見直しや再塗装のリスクが非常に低いのです。

このように外壁タイルは無機質の素材だからこそ実現できる魅力が溢れています。

 

外壁タイルのデメリットとは

メリットがいっぱいの外壁タイルですが、気になるデメリットはいかほどでしょうか。
ここでは3つのデメリットについて紹介します。

 

1.施工費用が高い

外壁タイルに使われている無機系の素材はコストが高いというデメリットがあります。
美しい外観を楽しめるタイルは施工のコストがその他の外壁材よりも高いのです。

そのため新築時に外壁材をタイルにする場合、全体の施工費用が高くなるため注意が必要です。
一方で、その他の外壁材や塗料と比べると長持ちである点を踏まえると、ランニングコストは低いとも言えます。

二世帯住宅・三世帯住宅など長くその家に暮らしていくご予定の場合には、あえてコストが高くても外壁タイルと選ぶこともおすすめです。

 

2.タイルは剥がれるリスクがある

外壁タイルは耐久性があり、大変優れている素材ですが、外壁に活用する場合「剥がれる」というリスクを知っておく必要があります。

タイル本体は非常に強くても、外壁材に張り付けていく以上、施工がしっかりしていないと剥がれて落下する可能性は否定できません。

以前の施工方法であるモルタルの下地を使った施工ではタイルの落下が発生していた背景があり、現在は接着剤をメインとする強固な乾式工法が主流となっていますが、落下を完全に防ぐものではありません。

接着させている、という事実を踏まえるといくらタイル本体は優秀であっても接着剤部分は定期的にメンテナンスと補強がいることを忘れてはいけません。

 

外壁タイルは施工のテクニックとメンテナンスで長持ちできる

美しく色褪せず塗装の負担の無いタイルによる外壁は、費用がかかったとしても長持ちしやすいという大きなメリットがあります。一方で紹介の通り、剥がれなどのデメリットがあるのも事実です。

外壁タイルをご自宅に施工したい場合には、つぎの2点を押さえておきましょう。

 

1.タイル施工の実績がある業者へ依頼しよう

新築時に外壁タイルをご検討の場合には、タイルの施工に実績のある業者を選ぶことが大切です。

タイルを接着させるためには接着剤を使って丁寧な施工を行う必要があり、方法を誤ってしまうとすぐに剥がれてしまうというリスクがあります。

せっかくサイディングなどの外壁よりも高い施工を実施する以上、確かなテクニックがある業者にお願いをしましょう。

 

2.その他の外壁材とも比較する

一般的なサイディングなどの外壁材は、タイルの素材と比べると耐用年数は短めです。
屋根や外壁の再塗装は約数百万に上ることも多く、施工後10年以降は経年劣化も目立つようになります。

一方で、タイルと同じ無機系塗料である塗料を使うと、塗装の寿命はウレタンやシリコンよりも長く、約20年程度と言われています。

タイルの施工は費用が大きいと感じる場合には、無機系塗料にして外壁材はタイル以外を選択する方法も考えられます。
外壁材と外壁塗料の組み合わせ方は多岐に渡っているので、タイル以外も視野に施工を検討してみましょう。

 

古くなった外壁タイルは、問題が無くてもメンテナンスを

外壁タイルは塗装が不要で便利な外壁材です。一方でメンテナンスが不要というわけではありません。

現在モルタルによる施工ではなく接着剤メインの工法が主流ですが、以前使われていたモルタル下地の施工は、タイルがはがれやすい状態が散見されています。

ご自宅にかつての外壁タイル施工がある場合には、タイルの強さに慢心をせずに定期的に外壁メンテナンスを行うことがおすすめです。

モルタル部分の劣化を放置すると、タイルの落下はもちろんのこと下地部分から雨水が侵入する可能性も高いのです。
せっかくのタイルの防水性が活かせなくなってしまいます。

目地の補修も落下を防ぐコツの1つですから、長く外壁を守り、しいては家全体を守るためにも古くなった外壁タイルはプロにメンテナンスを依頼してください。

 

まとめ

この記事では外壁タイルについて中心に、メリット・デメリットなどを紹介しました。
外壁を検討する際のヒントになったでしょうか。

タイルは魅力的な素材ですが、一方で施工費用はかかりメンテナンスレスなわけではない、こともぜひ知ったうえで施工をご検討ください。