外壁塗装に欠かせないコーキングとは|役割を解説します

外壁塗装に必要なものは、塗料だけではありません。住まいの外壁を安全に維持していくためには、「コーキング」と呼ばれる素材も使う必要があります。

では、外壁塗装に欠かせないコーキングとは、どのような役割を果たしているのでしょうか。この記事ではコーキングの使い方や耐用年数に焦点を当てて解説します。

 

コーキングとはどのようなもの?

私たちの住まいの多くには、外壁塗装を必要とする外壁材が使われています。外壁塗装は新築時に完成した状態となっていますが、築年数の経過とともに劣化し、塗装のダメージが目立つようになります。

塗料の耐用年数はおおよそ10年~15年程度が目安となっており、劣化の進行が目立ってきたら再塗装の施工を行う必要があります。では、外壁材に必要な工事とは、外壁塗装だけなのでしょうか。

実は、外壁塗装の工事には、ある1つのアイテムも必要です。それが「コーキング」です。

コーキングとは、外壁材同士の隙間を埋めるために使われている素材を指します。外壁材は大きな1枚板のようなものではなく、住まいの大きさや形状に合わせて組み合わせられるようになっています。

組み合わせやすいパネルのように販売されているのです。このパネル同士を固定しようとすると、小さな隙間が生じます。この隙間を埋めるために、活躍するものがコーキングです。

 

コーキングはどのような素材でできているのか

コーキングは、樹脂素材でできています。しかし、樹脂といわれてもいったいどのような素材なのか、想像しにくいかもしれません。

コーキングはパネル同士を柔軟に繋いでいく必要があるため、非常に弾力性のある素材として作られています。もしも硬い板同士をつなぐものが、同じように硬い板だったら、さらに別の隙間が生まれてしまうでしょう。

しかし、ゴム素材で柔軟性のあるものだったら、隙間をみっちりと埋める効果が生まれます。

・コーキング材には種類がある
外壁材の設置に欠かせないコーキング材は、塗装工事の際に劣化が見つかったら充填するために交換工事が行われます。では、コーキング材にはどのような種類があるでしょうか。

種類は5つに分類できます。まず1つ目はアクリルです。水性で扱いやすいアクリル素材でできています。耐用年数は短く、約10年前後で劣化を迎えることが多いでしょう。

2つ目はウレタンです。アクリルよりも長持ちしやすい素材ですが、紫外線に弱いため屋根に近い部分は傷みの進行が早くなっています。

最も多くの現場で活躍しているのは3つ目のシリコンです。コストパフォーマンスに優れており、外壁塗装の現場でも重宝されています。

このほかに、4つ目には変形シリコン、5つ目にポリウレタンが挙げられます。変形シリコンは通常のシリコンよりも価格が高く、ポリウレタンは機能的には優れているものの価格の関係上、シリコンが選ばれる傾向があります。

 

コーキングはなぜ劣化するのか

外壁塗装の工事は、基本的に足場の設置後にきれいな塗装工事をやり直すことがメインの作業です。外壁材同士をつなぐ効果のあるコーキングも、修理が必要な場合には充填し、新たな素材に交換する必要があります。

では、なぜコーキング材は劣化してしまうのでしょうか。コーキング材は弾力性のあるゴム素材で完成されています。ゴム素材は、タイヤなどにも同様のことがいえるのですが、劣化すると弾力性を失い、乾燥してひび割れが入る現象が起きます。

すると、本来隙間を埋めていた部分よりも縮小し、厚みを失います。隙間を埋めるために使っているはずが、その効果を果たせなくなってしまうのです。コーキングは紫外線や雨水の影響により、次第に劣化してしまいます。

 

劣化に気がついたらどう対処すべき?

コーキングの劣化は、コーキングが縮んでいたり、ひび割れたりしているような症状がサインです。もしもこのような症状を目視で発見したら、そのほかの部分にも劣化が起きている可能性があります。

特に2階以上の部分は紫外線が注がれやすく、傷みが進行しやすいため注意が必要です。外壁塗装の劣化と合わせて、速やかにメンテナンスを専門家に依頼しましょう。なお、コーキングの修理には、以下の2つの工事方法があります。

・打ち替え工事
打ち替え工事とは、古くなったコーキングを除去し、新たなコーキングを充填する工事を指します。手間のかかる工事であり、足場も必要ですが、新たなコーキングを充填することは雨漏りの防止にも効果があります。

・増し打ち工事
コーキングを一部分だけ充填すればダメージが回復できる場合には、部分施工である増し打ち工事を行います。この工事は既存のコーキング材の上から新しいコーキング材を充填する工事です。

 

コーキングの劣化を放置してしまったら

私たちの暮らしを紫外線や雨水からしっかりと守ってくれるコーキングですが、もしも劣化症状をそのまま放置してしまったら、いったいどのようなトラブルが待ち受けるでしょうか。

 

雨水に侵入される

外壁材の目地を埋める効果があるコーキングが劣化したままになっていると、隙間から雨水に侵入されてしまいます。いくら外壁塗装の効果で外壁材面はコーティングできていても、隙間がある場合は危険です。

 

ごみに侵入される

隙間を埋める部分に余裕が出てしまうと、ゴミに侵入されるおそれも増します。カビや苔が生えてしまい、砂埃が侵入するリスクも増してしまうでしょう。

 

外壁材本体がずれてしまう

外壁材同士を適切につなぐ効果があるコーキングが、劣化で縮小や剥がれてしまったら、外壁材本体同士が安定せず、ずれてしまう可能性もあります。

外壁材は常に同じ大きさではなく、外気の影響などにより膨張や縮小することがあるからです。

 

適切にコーキングを管理するために

コーキングは外壁材本体と同様に、住まいを守る効果があります。そのため、劣化症状を放置しないことが重要です。適切にコーキングを管理するためには、外壁塗装や屋根塗装の耐用年数を迎えたら、コーキングも含めてメンテナンスを行うことが必要です。

外壁塗装の修理のタイミングでコーキングも見直すことは、外壁材本体、そして住まい全体を長持ちさせることにつながります。

 

まとめ

この記事では、外壁塗装に欠かせないコーキングについて、詳しく解説を行いました。コーキングは非常にコンパクトな素材であるため、塗装よりも劣化症状に気がつきにくく注意が必要です。

劣化に気付くためにも、外壁塗装や屋根塗装のメンテナンス時期を迎えたら、コーキングも必ずセットでメンテナンスを行いましょう。