防水の効果がある塗装とは|塗料選びのヒントをわかりやすく解説

住まいの屋根や外壁は雨や雪にさらされやすい箇所であり、防水をしっかりと行う必要があります。

では、防水効果のある塗装とは、いったいどのようなものでしょうか。この記事では防水塗装を検討している方向けに、「塗料選び」について詳しく解説します。

豊富な塗料種類のなかからわかりやすく解説します。

 

塗装には防水効果がある?

皆さんは外壁や屋根に使われている塗料に、防水効果があることはご存じでしょうか。外壁塗装や屋根塗装の工事に使われている塗料は、市販されているような絵具などの塗料とは異なっています。

外壁などに使われている塗料は、気候の変化などにも耐えられるように耐久性が追求されており、耐候性や耐汚性にも優れています。加えて、防水効果にも優れています。

外壁や屋根は雨水や雪にも対応できるように、強い素材で作られています。しかし、経年劣化は発生するものです。

そこで、外壁塗装で防水効果を高めておくことで、素材本体を守る効果をプラスしているのです。

 

防水塗装には2つの種類がある

防水塗装には2つのカテゴリーがあります。1つは床用です。私たちの暮らしには、一戸建てやマンションなどさまざまな形状があり、ベランダやバルコニーなど、建物の外部に突き出す形で付属する設備があります。

このような設備は、洗濯を干したり家庭菜園を楽しんだりできますが、雨や雪の影響を受けやすい場所です。そこで、ベランダなどの設備には、床面に防水塗装が行われています。

FRP塗装と呼ばれるものが広く知られており、雨や雪が溜まってしまっても、雨漏りが起きないように塗装が効果を発揮しています。

防水層も作られており、非常に耐久性にも優れている施工です。2つ目は外壁・屋根用の塗料です。

外壁や屋根に使われる塗料にはいろいろな種類があり、現在ではシリコン系塗料を中心に広く施工が行われています。

 

防水塗装の効果とは

私たちの住まいをしっかりと守ってくれる防水塗料は、具体的にどのような塗料の種類で、どのような効果を発揮してくれるのでしょうか。

防水塗装に使われている塗料は、別名弾性塗料と呼ばれています。弾性塗料とは、具体的に弾力性に優れた塗料であることを意味します。

屋根や外壁はひび割れが起きやすく絵の具のような塗料では保護しきれません。そこで、弾力性のある塗料が必要です。

塗りやすく、ひび割れなども起こしにくい塗料であり、外壁材や屋根材への吸着率にも優れています。非常に優れている弾性塗料は人気がありますが、外壁材にフィットするかどうか、しっかりと専門家が判断する必要があります。

たとえば、近年リフォームでも大活躍している窯業系サイディングは、弾性塗料との相性があまり良くないといわれています。

防水塗料が現在自宅に使われている外壁に使えない場合があると知っておきましょう。

防水塗料のメリットとデメリットとは

外壁や屋根を雨水などからしっかりとカバーしてくれる防水塗料ですが、実際に塗装する際には知っておきたいメリットとデメリットがあります。

 

防水塗装のメリット

防水塗装の最大のメリットは、そのほかの塗料よりも防水力に優れている点です。外壁材にも防水効果もありますが、さらに効果を高められます。

外壁の劣化を遅らせる効果もあるため、リフォーム時に防水塗装を選ぶ方も多くなっています。

 

防水塗装のデメリット

一方で、防水塗装は使えない外壁材もあります。

モルタルなどの外壁には弾性塗料がふさわしいですが、サイディング素材には適していません。また、弾力性のある塗料のため、塗料をふんだんに使う必要があります。

加えて、弾力性のある塗料はしっかりと乾かさなければムラが起きやすく、塗装にはテクニックが必要です。

 

外壁がダメージを受けている?防水機能低下のサインとは

外壁材の防水機能がもしも低下してしまったら、いったいどのようなトラブルが予想されるでしょうか。この章では防水機能低下の予兆や、注意点を紹介します。

 

防水機能の低下のサイン

外壁の防水機能が低下してくると、以下のようなサインが発生します。自宅の外壁材をチェックする際のヒントに活用してください。

・チョークの粉のようなものが発生している(チョーキング現象)
・小さなひび割れが多発
・塗膜の剥がれ
・全体的に湿気のような臭いがする、汚れが目立つ

防水機能が低下すると、建物全体にコケが発生したり、カビのような臭いが漂ったりすることがあります。

この状態を長く放置すると、雨漏りが発生しやすくなるため、早急に改善することがおすすめです。

 

防水力低下のサインを見つけたらどのようにするべき?

防水力低下のサインを見つけたら、いったいどのようにするべきでしょうか。

外壁や屋根の再塗装を実施する際には「メンテナンス」を受けることが基本です。メンテナンスでは現在の塗装状態はもちろんのこと、外壁材や屋根材の状態も点検します。

ダメージが大きいと再塗装工事だけでは補修ができないため、本格的なリフォーム工事を実施する必要があります。

・外壁や屋根の工事種類とは

塗装工事では、あくまでも塗装をやり直す工事となるため、外壁材や屋根材の大きなダメージを回復できません。

もしもメンテナンスで大きなダメージが見つかった場合には、外壁材や屋根材の上から新たにカバーを行う「カバー工法」による工事や、既存の素材を剥がし、下地からやり直す「葺き替え工事(屋根)」や「張り替え工事(外壁)」が採用されています。

こうした工事は塗装工事よりも費用は高額になりやすいため、注意してください。

・防水塗料を早めに実施して住まいを長持ちさせよう

防水塗料は住まい全体の防水力を上げる効果があります。早めに防水効果のある塗装工事を実施しておくことで、外壁材や屋根材のダメージが生まれにくくなります。

防水力がある建物は劣化が遅くなり、長く安全な住まいを保つことにつながります。

一般的に塗装は約10年程度で劣化を迎えるとされるため、早めにメンテナンスのうえで再塗装工事をすることがおすすめです。

 

まとめ

今回は、外壁や屋根に使う塗装について、「防水塗装」の視点から詳しく解説を行いました。防水塗装は弾力性に優れており、建物全体を守る効果があります。

しかし、サイディング素材のように使用できない外壁材もあります。専門家に相談したうえで、防水塗装を実施するようにしましょう。